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作品撮りをうまくやるには
前回の続き、作品撮りについてです。


作品撮りするには自分がほしいイメージを創るために必要な人たちを集めないといけません。
まずこれが関門で、どういう人と組むかで作品のテイスト、クオリティが決まります。それにお互いにイメージを伝え合うためのコミュニケーションスキルも重要です。
クリエーターというのは変わった人が多いですから・・まぁ僕もそうですが・・笑 コミュニケーションするのに苦労することもあるのではないかと思われます。


モデル撮影の作品撮りに参加してくれる人を探すのにこんなサイトがあります。僕もずいぶん昔にここに登録していましたが、嫌な思いをしたのをきっかけにやめました。世の中いろんな人がいるものです。


作品撮りの参加者みんなが使えるようなのを撮りましょう的なセッションの場合、かかった経費は参加者で割り勘にすることが多いと思います。
逆にカメラマンなりヘアメイクさんなり、ある人がほしい作品を撮るために、他の人たちが協力する場合もあります。
この場合は協力してくれる人にギャラを払うことが普通でしょう。


前者のやり方が、経済的負担は少なくてすむし、みんなが使う写真が撮れるのだから一見いいんじゃないかというふうに見えるかと思いますが、しかしそういう作品撮りを公平感を保ちながら進めることは難しく、1人だけ得をすることが多いのではないかと思っています。
メンバの中の声の大きい人に他の人達が引きずられて、結局その人がほしい写真は撮ったけど、自分が使えるものは撮れなかった・・・なんてことになりがちなのではないかと思われます。もちろん作品撮りの全てがそうだとは言いませんが、気をつけないと一人だけ得をする会に参加されられた、ということになってしまうこともあるかと思います。


そもそも参加者各人の目的が違うのですから、本気で自分のほしいイメージを追求しようとすればするほど、つまりお遊びではなくて真剣勝負になればなるほど、1回のセッションでみんながほしいものができるなんていう都合のよい話にはならない、と思っていたほうが間違いないと考えています。


ということで、僕のおすすめは、参加者のうち1人がほしいイメージのものに絞り込んで他の人はそれに協力してあげて撮る、それを持ち回りで複数回行う。というやり方が公平で良いのではないかと考えています。
つまり1回の撮影の中でディレクションする人は1人だけ。とすっきり明快にするということです。
そうすれば参加者が自分のやるべきことに集中でき、よりクオリティの高い作品ができるのではないでしょうか?
作品撮りとは?
作品撮りとは、クリエーターが自分の作った作品を写真に撮ること。またはカメラマンが自分の作品として写真を撮ること。


Test Shootと言われることもありますが、お仕事としてのクライアントからの発注による撮影ではなくて、自分達の作品作りのための撮影、という意味合いかと思います。
さてこの作品撮り、カメラマンだけがやる訳ではありません。 インスタで「#作品撮り」のハッシュタグが付いた写真をみると、美容師さんが撮った写真がすごく多いです。
想像ですが、ヘアサロンではホットペッパービューティーなどに載せる写真が結構重要な販促ツールになると思うので、撮影に力をいれていらっしゃるのではと思われます。


この作品撮りの「作品」とは何を指すのかというと、カメラマンの場合は「写真そのものが作品」です。
一方、例えば美容師さんが作品撮りした写真は、写真に写っている「ヘアスタイルが作品」です。
つまり例えばカメラマンの作品は、光の扱いなどの写真表現そのものが作品の内容になるのに対して、美容師さんの写真の中の光の表現は、作品であるヘアスタイルをよりよく見せるための演出効果という位置づけになる、ということです。


カメラマンも専門はいろいろありますから、例えば物撮り専門カメラマンならモノを撮った写真が作品になりますし、人物を被写体にする場合にはモデルさんが必要になります。 モデルさんと言っても、若い女性ばかりが対象になるとは限りません。
一般の人物を対象にして作品を作る人もたくさんいます。 逆にファッション系のカメラマンやヘアメイクさんは、いわゆるモデルさんを撮りたい、しかも外人やハーフのモデルがいい、という人が多いように思います。


作品撮りした写真はBOOKに入れて自分を売り込むために使われたりします。
BOOKに入れている作品集のことを「ポートフォリオ」とも言いますが、自分はどういう作品を作っているのかを人に見てもらうため、お仕事を取るため、に使います。
BOOKについては2年前になりますが、こんな記事書いてます。
この記事に「BOOKもデジタル化されるのでは」と書いていますけれど、未だに重たいBOOK担いでいるモデルちゃんが多いようです。iPadとかタブレットに入れりゃ軽いのに。と思いますけど、そうもいかないのでしょうか?


ちなみにモデルさんが自分を売り込むためにBOOKに入れる写真は、宣材写真や今までいただいたお仕事の写真、それにカメラマンやヘアメイクさんの作品撮りに協力して撮った写真などです。
カメラマンなどの作品撮りに協力して撮った写真は本来の目的は違うわけですが、宣材として使われることもあるようです。 えーそれは可能なの?という件については別途記事を起こしたいと思っています。


で、この作品撮り、やってみたけどなんだかなぁ〜という経験をされた方も多いのではないでしょうか?
僕も今まで作品撮りをしてみて、なかなかに難しいなぁと感じておりまして、それについては次回書いてみたいと思います。
宣材写真のディレクションは誰がやるのか?
宣材写真の撮影時、カメラマンやヘアメイクさんが「こんなポーズいいんじゃない?」と明らかに思いつきや自分の好みと思える内容の指示をしていたり、「指示してもらうのが当然」と思っている新人のモデルさんがいたり、というような場面を見かけることがあるのですが、それはちょっと違うんじゃない? と思います。


宣材写真はモデルさんにとって最重要のプロモーションツールです。
選考の最初の段階で写真でふるいにかけられたり、あるいは写真だけでお仕事が決まることもあるようです。
モデルさんそれぞれは顔立ちもキレイでスタイルもいい。でもオーディションではそういう人達の中から選ばれなければなりません。絶対評価ではなく相対評価、つまり比べられるわけです。
ということは、ほんの僅かでも他の人たちよりアピールできる所がどこなのかを知り、そこを見せていかなければお仕事が取れません。


つまり、モデル市場の中での自分の強みやアピールできるものを写真の中に写し込まなければ、競争力のある宣材にはなりません。
見せたいものが何か分かっていない人に表現をまかせてしまったら、結果の出せる宣材を手に入れる確率が減ってしまいます。


では見せたいものが分かる人、あるいは分かっているべき人、は誰でしょうか?


日々、オーディションに行き、直接クライアントのコメントを聞き、お仕事を取れた時や取れなかった時にその理由を確認したり、というようなことの積み重ねによって、市場の中での自分のポジショニングや、他のモデル達より優れている差異化ポイントが見えてくるはずです。
宣材写真を作るには、見せたいものをコンセプトとしてまとめ、イメージの方向性を決め、そのイメージに合ったカメラマンやヘアメイク、スタイリストの手配、準備から撮影、撮ったカットのセレクト、といった作業が必要になります。
これらの各場面で決めなければならないことが多々出てきますが、その基準、ものさしとなるものは最初に立案する「見せたいもののコンセプト」であって、これを一番わかっている人が各段階でジャッジする必要があります。
各場面でジャッジできる人、つまりディレクションできる人は所属事務所のマネージャーさん、モデルさん本人以外にはいないはずです。


冒頭に書いたカメラマンやヘアメイクさんからの「指示」のことですが、宣材撮影時にカメラマンなどの外部の人間が指示をすることが全部NGと言っている訳ではありません。
その人が宣材写真が明確な目的を持ったプロモーションツールであるということを理解しており、今回の撮影のコンセプトや見せたいものを把握していて、モデルさんの立場に立ってアドバイスができる人、であればそういう人のアドバイスは積極的に聞いたほうが、表現のヴァリエーションが広がり使えるカットが更に多く手に入れられると思います。


経験を積んでいるモデルさんの場合は当然ながらディレクションは他人にまかせられないということを理解しています。
先日、あるモデルさんの宣材撮影をさせていただいたのですが、事前にこのモデルさんからヘアメイクさんと僕に今回撮りたいイメージを伝えられました。
そこには、今回撮りたいパターンそれぞれのテーマ、撮りたい写真に近いイメージの参考写真、その時に着る衣装写真、してほしいヘアメイク内容、などがわかりやすく示されていて、さすがと思いました。ここまでしていただけるとヘアメイクさんも僕もイメージの共有ができて、とてもやりやすいですし、なによりモデルさん自身が、ほしいイメージの写真を手に入れられる可能性がぐんと高まるでしょう。


とはいえ新人さんの場合、まだ分からないことも多い中で、仕切れと言われてもハードルが高いですね。
まずはマネージャーさんや先輩のアドバイスをもらいながら、ということになると思います。カメラマンなどに相談するのもよいですが、先に書いたとおり相手をよく選んだほうがよいと思います。


僕はサラリーマン時代、領域はもちろん異なりますが、多くの企業のお客様に対してコンサルティングをした経験があります。
コンサルティングというのは相手の立場に立って、相手に代わって専門ノウハウを投入しつつ、今後どうしていくかのやり方を立案、アドバイスする仕事で、領域が違ってもコミュニケーションの方法や進め方のフレームワークは共通に使えるところが多いです。このコンサルティングノウハウに加え、多数の宣材撮影をしてきた経験をベースにディレクションのお手伝いをさせていただくことが可能です。
最後はちょいと宣伝になってしまいましたが、多少はお役に立てるかと思いますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
モノクロがカッコイイ
先日モデルデビューした加藤紗香乃ちゃんを撮らせていただきました。





久しぶりにショー系のモデルさんです。カッコイイ!!

モデルさんはショー系(ファッション系)と、コマーシャル系の2つに大別できます。
ショー系は主にファッションショーやファッション誌に出るお仕事をしている、ハイファッションやモード系ファッションが合うモデルさん。170cmの僕が見上げるくらい背の高い人が多いです。
コマーシャル系はCMや広告、ウエディングなどのお仕事をしているモデルさんで、こちらのほうが絶対数が多いからなのか、僕のテイストがコマーシャル系に合うからか、コマーシャル系のモデルさんを撮らせていただくことが多いです。

写真の撮り方も変わります。ショー系の場合はスタジオで白や黒バックなどシンプルな背景で撮ることが多く、コマーシャル系の場合はナチュラルな空気感を表現しやすいロケで撮ることが多い・・・と言うとステレオタイプになってしまいますね。

海外のいろんな写真を見るとモード系が似合うようなモデルさんが柔らかいナチュラルなロケの写真を撮っている写真もあったりします。宣材として使う写真はその人のそのまんまを見せるということで、ナチュラルな写真も良いのかもしれません。

まぁ何がアリで何がナシっということを決めつける必要はないわけですが、ショー系のモデルさんはモノクロでシンプルな背景の写真が映えるというのは間違いないでしょう。ということで、今回はロケでしたが、シンプルにモノクロで仕上げてみました!

ワクワクする撮影
何かを創作したり表現している人の中で、自分が創りたいものを創り、その活動だけで生活費を得て暮らしていける人はごく僅かです。
ほとんどの人は、創作活動をしながら、同じジャンルではあるけれど自分が創りたいものとは違うものを、お客様からの希望に従って創ったり、または全く違うジャンルで生活費を得るためのお仕事をしている人たちも多いと思います。

僕も以前は、自分が撮りたいイメージと、お客様からの依頼で撮影する写真は全く同じになることはほとんどないので、作品作りとお仕事として受ける撮影とは分けて考えたほうがすっきりすると考えていました。
でも、そうしてしまうと、依頼いただいての撮影が、お金を得るためのお仕事としての位置づけになり、ともするとワクワク感のないサラリーマン時代にお客様対応をしていた頃の感覚に近いものになってしまうようにも感じました。もちろん手抜きする訳でも適当に対応する訳でもなく、お客様の求めるイメージにできるだけ近づけるように経験やスキルをフル動員して対応はするのです。ですがワクワクしたクリエイティブな撮影という感覚にになりにくいのも確かです。

せっかくフルタイム好きなことをさせてもらえるようになったのに、これではちょっと違うのではないかとモヤモヤしていた頃、宮崎駿監督作品の音楽で知られる作曲家の久石譲さんが書いた「感動をつくれますか?」という本に出会いました。
これこそ本物のプロフェッショナルなクリエーターの姿勢!
音楽と写真、という違いはあるけれど、書かれている内容に違和感はありませんでした。目から鱗でした。

こちらに久石さんのインタビュー記事があり、久石さんの考え方が簡潔に書かれているので、一部引用します。


「アーティストというのは、モーツァルトだってハイドンだって、発注があってしか書いていないんです。発注なしで作っていたのは、シューベルトとプーランクくらいじゃないかな。「浮かんだら書く」なんてそんな呑気な話はありません(笑) 依頼は、作品をつくる手がかりにもなります。「お金がない」と言われたらオーケストラではなく小編成にするし、「アクション映画だ」と言われたらラブロマンスみたいな曲を書くわけにはいかない。このように、どんどん限定されていきますよね。そういった制約は決してネガティブなことではなく、「何を書かなければいけないか」ということがより鮮明に見えてくるだけなので、僕は気にしていません。  大事なのは、映画のために書いているふりをして、実は本当に映画のためだけではないこと。つまり、自分がいま書きたいものと発注をすりあわせていくんです。アーティストが書きたいと思っているものでなければ、人は喜んでくれない。いま自分が良いなと思っている音楽の在り方――それは幅広いジャンルにあるので、その中で、いま発注の来ている仕事と自分の良いと思うものとを照らし合わせるんです。」


僕がいただく撮影の依頼のうち8割くらいは宣材写真の撮影です。
毎日のように宣材を撮り続けていると、自分が宣材しか撮れないようになってしまうのではないかとか、自分の作品として撮ろうとしても宣材っぽくなってしまうのではないかとか、そんな不安を抱いていましたが、久石さんのようなやり方ができるなら、依頼された撮影の中で、自分の作品と言えるものを撮ることだってできるかもしれない。
宣材としての要件を押さえ、お客様の要望を満たし、その上で、写真の中に自分なりのこだわりやテーマを入れ込んで、自分の作品として仕上げるぞという意識で撮影に臨むようにしてみました。

とまぁ言うのは簡単ですが、いろんな制約条件がある現場で、お客様の要望をクリアする写真を撮るだけでもやっとの思いという状況で、更にそこに自分のこだわりも入れるというのは、なかなかにハードルが高いものです。
でも、目標を高く持って、それにチャレンジしていく気持ちで臨んだほうが充実感が持てるし、やりがいもあるし、楽しい!

今後も試行錯誤しながら毎回の撮影をマンネリなルーチンワークにせず、更にクリエイティブで楽しいものにしていきたいと思っています。